Category: 出版物

  • 季刊『軍縮地球市民』創刊号

    2005年6月6日発行

    皆様

    季刊『軍縮地球市民』創刊号が6月6日に発行されました。特集は「核の世界を超える」です。
    創刊号には、森住卓さんのグラビアをはじめ、高橋昭博さん、木村朗さん、澤地久枝さん、岡真理さん、きくちゆみさん、高遠菜穂子さん、野間伸次さん、 熊岡路矢 さん、柳田真さん、原文次郎さんなど、数多くの方々が論考・報告を寄せていますが、拙稿「抑圧された[劣化]ウラン兵器問題」も収録されております。ご利用いただけ たら幸いです。
    詳しい内容は、下記目次をご参照ください。

    草々     嘉指信雄


    明治大学軍縮平和研究所のホームページが出来ました。

    ここから季刊『軍縮地球市 民』創刊号の目次を見ることが出来ます。
    www.gunsyuku.org/



    表紙/母子像 広河隆一

    <グラビア>
    セミパラチンスクの核汚染  森住卓(フォトジャーナリスト)

    <『軍縮地球市民』創刊への思い>
    三木睦子(明治大学軍縮平和研究所特別顧問)
    宇都宮恭三(?ミノファーゲン製薬代表取締役社長)
    ショーン・グレゴリー(ブラッドフォード大学平和研究学部長)
    納谷廣美(明治大学学長)
    福田邦夫(明治大学軍縮平和研究所所長)

    <宇都宮徳馬 人と思想>
    國弘正雄(エディンバラ大学特任客員教授)

    <特集 核の世界を超える>
    原爆とは何か
    井上ひさし(作家)
    第9条は光り輝く宝石
    高橋昭博(元広島平和記念資料館長)
    核兵器廃絶に向けての提言
    伊藤一長(長崎市長)
    原爆投下への共通認識を求めて
    木村朗(鹿児島大学教授)
    解かれた封印
    斉藤光政(東奥日報社編集委員)
    抑圧された「劣化」ウラン兵器問題
    嘉指信雄(NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表)
    原爆加害国になった日本
    笹本征男(占領史研究者)
    モルデハイ・バヌヌ氏とイスラエルの核兵器開発
    野間伸次(日本アムネスティ・インターナショナル 日本ひろしまグループ)

    <連載>
    平和は実現できる 第1回 アメリカを変える市民力
    伊藤千尋(朝日新聞記者)
    分断される「市民」 第1回 この街は 通報する街 見てる街
    斎藤貴男(ジャーナリスト)

    ブッシュ政権 和平達成の道険しく
    布施広(毎日新聞論説委員)

    <戯曲・映画評>
    「父と暮せば」の寓意 澤地久枝(作家)

    <平和思想と運動>
    希望 イスラエル兵役拒否者と共生の思想 decencyと他者の痛み
    岡真理(京都大学教員)
    平和省を日本に創ろう
    きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン)
    第5回世界社会フォーラムを見て
    長沼節夫(ジャーナリスト)
    平和論の社会科学的地平へ マルクスとヴェーバーの根底にある平和の思想
    内田芳明(元横浜国立大学教授)
    9・11とアメリカ・キリスト教平和思想 プロセス神学の場合
    延原時行(敬和学園大学教授)

    <「自己責任論」と国際ボランティア>
    化石男に騙されるな 辛淑玉(人材育成コンサルタント)
    生命に国境はない 中東から見える日本 高遠菜穂子・森沢典子
    自己責任論の深層にあったもの 醍醐聰(東京大学教授)

    <戦争の記憶>
    東京大空襲とルメイ将軍 早乙女勝元(作家)


    <平和の歌>
    戦争の愚かさを歌う 「バルバラ」 村田健司(シャンソン歌手)

    <軍事>
    「中国脅威」異聞 岩島久夫(国際政治軍事アナリスト)
    新「防衛計画の大綱」とその実質化 池田五律(派兵チェック編集委員会)

    <まんが> 西岡由香

    <運動紹介>
    日本国際ボランティアセンター(JVC) 熊岡路矢
    たんぽぽ舎 柳田真

    <ワールド・ナウ>
    チェチェン 戦争は終わったか? 常岡浩介
    スペイン バスク「負の遺産」の清算と再生 渡部哲郎
    イラク 環境改善の進まないバグダッドの病院 原文次郎
    マダガスカル 乱掘されるアフリカの鉱物資源 吉田敦
    中国 社会主義市場経済の「奇跡」と現実 朱永浩
    メキシコ 1997年以降、最悪の失業率 所康弘
    EU ヨーロッパの理想と現実 ミカエル・クレブノ
    ベトナム 街角から消えたストリートチルドレン 野地みず江
    日本 もうひとつの日本 河合理恵

    <風聞書感>
    書評
    『嘘つき大統領のアブない最終目標』ポール・クルーグマン著 千田亮吉評
    『脳力のレッスン』寺島実郎著 中川雄一郎評

    いま読みたい3冊
    『地球買いモノ白書』『経済学と人間の心』『帝国を壊すために』小林尚朗評

    資料 今日の核戦力
    研究所活動案内・編集後記

  • 鎌田七男著『広島のおばあちゃん』

    ―ヒバク問題の学習テキストとして最適―
    2005年7月19日

    45年間原爆被爆者と向き合い、医学者の立場で原爆の悲惨さをみつめてきた鎌田七男先生(元・広島大学原爆放射能医学研究所所長、広島原爆養護ホーム倉掛のぞみ 園園長)が、「まさにこんな解説書が欲しかったのです!」と言いたくなる本を作ってくださいました。

    ぜひ、ぜひ御一読ください!!!

    著者の言葉より―― 「わたし達は、原子爆弾の災害がどのようなものであるかをしっかりと伝え「三たび使われることのないように」と大きな声で叫ばなくてはなりません。この本が核兵器のない平和な世界構築に向けて、自分に何ができるかを考えるきっかけになれば大変うれしく思います。」

    吉永小百合さんの推薦の言葉より―― 「『広島のおばあちゃん』は、原爆が与える影響、核兵器の本当の恐ろしさを誰にでもやさしく分かるように書かれた本です。このような本はたいへん少なく、とても貴 重です。一人でも多くの方に読んで戴きたいと思います。」

    森瀧春子さんの推薦の言葉――
    ヒロシマ・ナガサキの被爆者の平均年齢が78才を越える今日、「広島のおばあちゃん」たち証言者がいなくなってしまう日が近い今日、広島で長く被爆者の医療に取り 組んでこられた医科学者である鎌田七男先生のこの著書は、まさに若い人たちへの時宜を得たすばらしい贈り物だと思います。 核兵器がもたらす破壊が、一瞬にして奪う数知れない人命や生活環境のみならず、生き残ったものたちへの放射能等の後障害、次世代への影響の恐れ、家族を奪われる などの人間関係の破壊であることを、人間としての科学者の視線から分かりやすく紐解いてくださっています。 原爆について知っていたつもりの私たちにとっても、改めて多くのことが学べる必読書だと思います。

    なお、『広島のおばあちゃん』のデザイン・編集を担当しているのは、『劣化ウラン弾禁止を求めるヒロシマ・アピール』のデザインも担当してくださっている、シフトプロジェクトの鈴木和満さんです。 今回の『広島のおばあちゃん』も、鈴木和満さんのプロとしての徹底した気配り、 デザイン・編集の冴えが、表表紙から裏表紙まで漲っていて、装丁としても、本当に素晴らしい出来栄えです。

    完成した実物を拝見し、この本は広く読まれることになるだろうとの思いを改めて 強くいたしましたが、私どもも、メーリングリストを通じて、ささやかながらPRのお 手伝いさせていただくことに致しました。

    なお、すでにご存じの方も多いかと思いますが、先月出版された肥田舜太郎・鎌仲 ひとみ著『内部被曝の脅威―原爆から劣化ウラン弾まで』(ちくま新書)もお奨めの 一冊です。

    (嘉指信雄:NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表)

    本書の特長――
    ● 過去のできごと、現在のできごと、未来に向かっての3部構成。
    ● 左ページは中・高校生向けに、右ページはより詳しく社会人向けに解説。
    ● 質問に対しておばあちゃんが答える、Q&A方式のわかりやすい編集。

    1冊1000円(税込み)プラス送料実費

    (1冊340円; 2~3冊450円; 4~5冊590円、6冊以上は、「ゆうパック」実費)

  • 「ヒロシマ発日本政府への反論 劣化ウラン兵器廃絶への道」

     

    ヒロシマ発日本政府への反論「劣化ウラン兵器廃絶への道」

     

    イラクの人々のため、日本がすべきことは何なのか?
    大量破壊兵器だけでなく、劣化ウラン兵器(DU)についても、アメリカ政府の欺瞞がようやく暴かれつつある。 
    DU禁止に向けた国際キャンペーンも動きだした。

    (以下、『世界』2004年5月号より抜粋・修正)

    「ヒロシマ発 日本政府への反論-ウラン兵器廃絶への道」

    嘉指信雄(かざしのぶお)

    「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」代表

    アメリカとイギリスは、大量破壊兵器保有の可能性を理由にイラク戦争を強行したが、今や、その大義が大きく揺らいでいる。しかし、今回の戦争でも大量に使用された劣化ウラン弾の問題を視野の中心に据える時、イラク戦争の「正当性」は、さらに一層深く、根底から覆される。

    三月二〇日、広島では、イラクの若い医師二人(名古屋大学医学部で研修中)が、原爆ドーム横での集会に参加し、「状況は悪化する一方であり、イラク人の苦しみを止めるには、外国の軍隊が撤退するしかない」と占領の早期終結を訴えた。バスラ教育病院の内科医アサド・アーメルさん(34)とバグダッド教育中央病院の小児科医モハマド・ハッサンさん(30)は、夕方、原爆資料館で開かれたフォーラムにも参加し、「医療設備が破壊され、電気も水も、薬も不足している。湾岸戦争以前と比べると、がん患者の数は10倍以上になっている。子どもの白血病も年々、増加する一途であり、劣化ウラン弾の影響によるものとしか考えられない」と窮状を訴えた。

    二人は、翌日、広島赤十字・原爆病院や広島大学原医研(原爆放射能医学研究所)などを訪れ、専門家の方々と交流した後、名古屋に戻って行ったが、別れ際、「平和を求める人たちと共に行動し、強く励まされた。バグダッド陥落の頃は、家にも帰らず病院で患者の治療に必死であたったが、その時の気持ち―自分は、微力ながら、イラクの人々のために力を尽くしているのだという気持ちが甦ってきた。広島に戻ってきたい」との言葉を残して行った。

    劣化ウラン兵器は、無差別破壊兵器である

    いわゆる「劣化」ウランは、核兵器や原子力発電に必要な濃縮ウランを作った後に生じる廃棄物であるが、鉛よりも重く、鉄よりもはるかに固いという希有な性質をもつ。劣化ウラン弾の貫通力は、同じサイズの鋼鉄の弾丸と比較すると、二,四倍。したがって、その破壊力は「革命的」であり、従来の戦車は無意味になったと言われる。さらに、劣化ウラン弾は、衝突後、燃焼し、マイクロレベルの微粒子となって拡散してしまう。劣化ウランは、化学的毒性もきわめて高く、放射能に関しても、「劣化」という不適切な形容がつけられているが、天然ウランの六〇パーセントの放射性を有し、その半減期は四五億年。(地球上に生命が誕生したのが、およそ四十四億年前と言われる。)したがって、劣化ウラン弾は、その及ぼす被害の範囲が空間的にも時間的も限定できないという意味で、まぎれもない非人道的大量破壊兵器である。劣化ウラン弾は一九九一年の湾岸戦争で初めて大規模に―米軍側の公式発表でも三〇〇トン以上―投入され、続いて、ボスニア、ユーゴスラビアにおいてはNATO軍によって、さらにアフガニスタンでアメリカによって、そして再びイラク戦争ではアメリカとイギリスによって湾岸戦争を上回る量が使用されたと推定されている。

    今回の戦争は、「イラクの自由作戦」の名のもとに行われたが、放射線という目に見えない危険に数知れない人々・子どもたちを曝す非人道的兵器を使用しての戦争が、どうして、人々を解放する「正義の戦争」などと言えようか。

    被爆国日本が先頭に立つべき劣化ウラン弾被害調査

    自衛隊が、「人道復興支援」のために送られているサマワからは、日々、自衛隊員の善意あふれる笑顔と言葉がメディアを通じて届く。しかし、「イラク戦争とは何だったのか」、「日本が、今、イラクの人々のためになすべき、なすことのできる最も重要なことは何なのか」を考える時、劣化ウラン弾が引き起こしている想像を絶する悲惨、特に子どもたちに及ぼしている被害の深刻さを直視する必要がある。(写真家の森住卓氏の『イラク・湾岸戦争の子どもたち?劣化ウラン弾は何をもたらしたか』や豊田直巳氏の『イラク 爆撃と占領の日々』などを参照)

    自衛隊は、安全のため「放射線測定器」を携行すると報道されているが、日本が被爆国としてイラクの人々のために第一になすべきことは、劣化ウラン弾による放射能汚染の実態調査、被害者救済の先頭に立つことではないだろうか。

    アメリカ人の社会学者ロバート・ベラーによれば、「民主主義の成否は、何に注意を払うかにかかっている」。劣化ウラン弾問題に焦点があてられれば、イラク戦争はイラクの人々を「解放」する戦争などといったレトリックは到底通用せず、また、自衛隊による「人道復興支援」がいかに問題の根幹を覆い隠す役割を果たしてしまっているかが明らかとなろう。その意味で、劣化ウラン弾問題は、日本にとっては、今後の憲法改正論議の行方も左右しかねない、鍵となる問題(キー・イシュー)である。 (中略)

    アメリカの「欺瞞の構造」

    一方、アメリカ政府も、一貫して、「劣化ウラン弾は人体に影響がない」との主張を繰り返してきている。ホワイトハウスのホームページのイラク関連ページには、「欺瞞の構造?サダム・フセインの情報工作とプロパガンダ  1990-2003年」と題されたセクションがあり、「イラク政府は近年、連合軍が使用した劣化ウラン弾が、イラク国内でのガンや先天性異常を引き起こす原因となってきたとの虚偽の主張を広めようとしている」、そして、国際的な反劣化ウラン弾キャンペーンも「プロパガンダ」に乗せられたものだとの主張が掲載されている。(日本語訳は、在日アメリカ大使館のホームページから取ったものである。より詳しくは、「ヒロシマ発―ホワイトハウスへの反論」、『劣化ウラン弾禁止を求めるヒロシマ・アピール』一二~一四頁参照)

    しかし、こうしたアメリカ政府の主張こそ、この上ない「欺瞞」をはらんでいる。昨年十二月のニュース(NHKニュース電子版)によれば、イラク暫定内閣のアッバス保健相は、米国を訪れた際、米軍が十二年前の湾岸戦争や今回のイラク戦争で使用した劣化ウラン弾について、「イラクの子供にがん患者が増えていることと関連があるのか調査すべきだ」と訴えている。フセイン独裁体制が倒れた後も、劣化ウラン弾被害についての訴えは、イラクから公式に発せられているのである。

    さらに、次の、「米海軍は一九八四年にはDUの危険性を知っていた」という情報が意味するところは深甚である。(イギリスのCADU=劣化ウラン反対キャンペーンの『ニュースレター・二〇〇三年冬号』収録。訳文は、田中久美子:「劣化ウラン研究会」の訳に基づく)アメリカ兵士は、湾岸戦争後まで、劣化ウランの危険性について全く知らされていなかったのである。

    「グレン・ミルナー氏(米国「非暴力行動のためのグランド・ゼロ・センター」)が情報公開法により入手した文書によって、米海軍はDU兵器の危険性やこの兵器の取扱い及び除染には特別な注意が必要であることを以前から認知していたことが分かった。一九九一年の湾岸戦争において、兵士はDU兵器の安全な取扱いに関する指導を受けておらず、それ以前の時点で作成されていたこの文書は、重要な証拠となる。文書はまた、DUの使用は健康に影響を及ぼさない、使用後の除染は必要ないという米軍の主張が嘘であることを暴露している。文書の3ページ目には、次のように書かれている:

    8.粉末状DU(DU兵器は発射されるとその発火性から粉末状となる)を取扱う際や、DU弾が火事などの事故によって酸化した場合、DUエアロゾルや灰を吸ったり飲み込んだりして体内に取り込むと、体内被曝の恐れがある。

    9.体液中に取り込まれた特定のDU成分は、その溶解性によっては、特に肝臓に対して毒性を持つ可能性がある。

    10.事故の際やDUの腐食が発見された場合には、許可を受けた者によって除染処理が行われなければならない。

    11.DU汚染の可能性がある物質に触れてしまった場合は、すぐに許可を受けた者の検査を受け、汚染の可能性のある衣服や手、武器、顔等被曝した部分すべてを石鹸と水で洗浄すること。完全に除染されるまでは、飲食、喫煙、化粧をしてはならない。この文書の全文は、以下のウェブサイトで見ることができる:www.gzcenter.org/NavyDU.htm

    同様の情報は、一九九五年に「AEPI=陸軍環境政策研究所」が作成した「劣化ウラン使用による健康・環境への影響」にも収録されている。また、同じ年、米国陸軍が、「劣化ウランの危険性」について兵士に教育するために作成していたトレーニング用ビデオも、インターネット上で暴露されている。(www.informationclearinghouse.info/article3582.htm

    抑圧されてきた劣化ウラン弾問題

    劣化ウラン弾は、周知のように、第一次湾岸戦争後ほどなくして、「湾岸戦争症候群」の原因として論争を引き起こした。一九九六年以降、国連の人権小委員会において、劣化ウラン弾は、「兵士、市民のいずれに対しても大量無差別的被害をもたらす」、現存の国際人道法や人権法と「両立しがたい」非人道的兵器とみなす決議が三度にわたり採択されている。さらに、コソボ紛争後、ヨーロッパ兵士の間に「バルカン症候群」が発生し、二〇〇一年一月には、ヨーロッパ議会が、劣化ウラン弾禁止を求める決議を採択している。

    それにもかかわらず、アメリカとイギリスの政府や軍部は、すでに見たように、劣化ウランの危険性をはっきりと認識していながらも、公式的には、劣化ウラン弾は安全だと言い立ててきたのだ。こうした主張の「科学的」根拠とされてきたのは、WHO(国際保健機構)などによる調査結果だが、最近、WHOの調査結果の「科学性・中立性」に関して、重大な疑念が投げかけられた。二月二二日付『サンデー・ヘラルド』(スコットランド)は、以下のように伝えている。(原文は、 www.sundayherald.com/40096 を参照。訳文は、吉田正弘:「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」)

    「イラクでの劣化ウランによるガン発症の怖れに関する科学的研究を、WHOは“差し止めていた”」

    ―放射線専門家たちは未公開報告の中において、湾岸戦争中に連合国によって使われた劣化ウラン兵器は長期にわたり健康障害を引き起こす危険ありと警告―環境問題編集者 ロブ・エドワード      米英の劣化ウラン兵器によってイラクの一般市民の健康が長期的に危険にさらされるだろうと警告する専門家の報告書が秘密にされていた。

    優れた三人の放射線科学者によって行われたその研究は、放射能と化学毒性を持つ劣化ウランを含むチリを吸いこむと、子供も大人もガンにかかる可能性があると警告した。しかしその報告書は、主筆のケイス・ベイバーストック博士を上席放射線アドバイザーとして雇用しているWHOによって、公表を妨害された。WHOは否定しているが、博士は意図的に差し止められたと断言する。

    ベイバーストック博士の研究は、今は『サンデー・ヘラルド』紙の手元に渡っているが、イラクの乾燥した気候では劣化ウランの微粒子は風で撒き散らされ、市民によってこの先何年にも渡って吸引されることを指摘している。体内に入れば、その放射線と毒性が悪性腫瘍の成長の引き金を引く可能性を警告している。

    劣化ウランからの低レベル放射線は、直接照射を受けた細胞に隣接する細胞を傷つける可能性があることを研究は示唆している。いわゆる「バイスタンダー効果」として知られる現象である。これによって身体の遺伝システムの安定性が蝕まれることになり、がんや他の病気となんらかの関わりがあるものだと多くの科学者によって考えられている。」

    従来の理論では説明できない劣化ウラン「体内被ばく」

    なお、「バイスタンダー効果」とは、昨年一〇月、ハンブルクで開催された「世界ウラン会議」で出された「科学者コミュニケ」でも強調されている点である。(この会議には、イラクを含む二〇カ国から一〇〇名以上の専門家、活動家、被害者などが参加。日本からも約二〇名が参加した。会議のオーディオ記録が、インターネット上でアクセスできる。(http: //www.traprockpeace.org/depleted_uranium_hamburg03.html

    「科学者コミュニケ」に次のようなくだりがある。

    「リスク評価担当の行政機関や軍部が用いている国際放射線防護委員会(ICRP)モデルでは、劣化ウランによる被曝線量はあまりにも低いので目に見える健康影響は現れないだろうと予測しているが、このモデルは内部被曝の評価には適切ではない。体内に取り込まれた放射性粒子は、局所組織において高線量の被曝をもたらすからである。それにもかかわらず、ICRPモデルは外部被曝と平均線量に置き換えて、概算しているのである。」(訳:振津かつみ。「科学者コミュニケ」全文を含むハンブルク会議の報告は、「ヒバク反対キャンペーン」のホームページを参照。http: //www1.odn.ne.jp/hibaku-hantai/DU-kikaku/DU-04.pdf

    つまり、従来の被曝についての理論枠組みでは、劣化ウランによる体内被ばくのメカニズムは解明できない、劣化ウランの危険性を捉え損なってしまうというのだ。言うまでもなく、それは、劣化ウランによる被害の実態を、確立された「科学」の名において「抑圧」し続けてしまう危険を意味している。さらに、劣化ウランの場合、放射線と化学的毒性の相乗的影響、いわゆる、「カクテル効果」という、いまだに未知の部分が大きい、複雑な問題が加わる。この意味において、劣化ウラン弾問題は、科学的にも、新たな「注意」の向け方が求められている問題である。科学においても、劣化ウラン弾問題をめぐり、「民主主義の成否」が賭けられているといえよう。(「カクテル効果」については、ワシントンの「核政策研究所」(Nuclear Policy Research Institute)が二〇〇三年七月に発表した報告書「劣化ウラン―危険性評価の科学的根拠」を参照。全文は、「核政策研究所」ホームページに掲載されているが、その要点は、『劣化ウラン弾禁止を求めるヒロシマ・アピール』一二~一四頁参照。)(以下略)

     

  • ヒロシマ・アピール改訂版の中国新聞記事

    中国新聞地域ニュース
    劣化ウラン冊子を改訂 ’06/11/20

    劣化ウラン弾(DU)の禁止運動に取り組む市民団体「NO DUヒロシマ・プロジェクト」が、DUの危険性を指摘する小冊子「ヒロシマ・アピー ル」の改訂版を発行した。8月に広島市で開いた「NO DU国際大会」での議論や、イラク戦争の帰還米兵が起こした損害賠償請求訴訟の概要などを盛り込ん だ。A4判、68ページ。1000円(送料別)。同プロジェクト雨宮さん=電話090(7500)8687。

    【写真説明】「NO DUヒロシマ・プロジェクト」が作成した小冊子「ヒロシマ・アピール」の改訂版

  • 『ヒロシマ・アピール』改訂版刊行のお知らせ


    劣化ウラン兵器禁止を訴える『ヒロシマ・アピール』の改訂版を、2006年11月に刊行しました

     

    『ヒロシマ・アピール』発行部数の推移


    タイトル 発行部数 日付
    日本語版初版 2,000部 2003/8/6
    日本語版 第1次改訂版 5,000部 2003/9/6
    英語版 3,000部 2003/8/6
    日本語版 第2次改訂版 5,000部 2003/12/15
    英語版 増刷 1,000部 2004/5/6
    日本語版 第2次改訂版増刷 2,000部 2004/8/3
    合計 17,000部 2004/8/3
  • 『ウラン兵器なき世界をめざして —ICBUWの挑戦—』刊行

    本書は、当初、2006年8月に広島で開催されたICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)第3回国際大会の記録集として構想されましたが、その後、国際キャンペーンはいくつかの大きな展開を見せ、2007年12月には、国連総会にて、「劣化ウラン(DU)を含む兵器・砲弾の使用の影響に関する決議」が圧倒的多数で採択されるに至りました。その結果、本書は、ICBUWヒロシマ大会を中心にしつつも、DUについての基本的情報やDU兵器問題をめぐる今までの国際的な動き、2003年10月、ブリュッセル郊外の町ベルラールでICBUWが創設されてから、2007年12月、ニューヨークの国連総会にて「DU決議」が採択されるまでの取り組みの過程も入れて、『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑戦—』として刊行することとなりました。ウラン兵器の一日も早い全面的禁止の実現という、さらなる「挑戦」のため、本書を様々な形で活用していただけましたら幸いです。

    嘉指(かざし)信雄(ICBUW運営委員/NO DU ヒロシマ・プロジェクト代表)
    振津(ふりつ)かつみ(ICBUW運営委員/ヒバク反対キャンペーン)   
    森瀧春子(ICBUW運営委員/NO DU ヒロシマ・プロジェクト事務局長)

    「平和・協同ジャーナリスト基金」奨励賞受賞 !

    レビュー(AMAZON.COM)『ウラン兵器なき世界をめざして/ICBUWの挑戦』
    秋葉忠利・広島市長 2008/6
    大変インパクトの強い内容で、ウラン兵器の禁止に向けての世論形成に大きく貢献するものと期待しております。

    中国新聞 2008/3/23
    その文面を丹念に追うと、市民一人一人が行動すれば、核兵器やDUがない平和な世界をつくる世論を束ねることができる、と勇気がわいてくる。

    「自然と人間」 2008/10/01
    2003年3月、広島では6千人が集まり「NO WAR NO DU!」の人文字を作った。グループの活動はその後も続き、ヒロシマ大会へと結実する。本書は、ウラン兵器を根絶する闘いの導きの書となる。

    「原子力資料情報室通信」 2008/8/1
    劣化ウランについて基礎的なことから勉強したいという方にもぜひお薦めの一冊だ。

    神戸新聞 2008/8/18
    劣化ウラン兵器なくせ
    国際大会の記録を刊行 被害実態を詳細に 世界的な動き紹介

    中国新聞 2008/3/23

    神戸新聞 2008/8/18

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    以下の項目——
    [1] 内容の紹介
    [2] お願い
    [3] 購入方法
    [4] 目次

    [1]内容の紹介
    『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑戦—』
    全256頁+カラーグラビア4頁/写真・図表多数収録
    【発行日】2008年4月15日
    【責任編集】嘉指信雄、振津かつみ、森滝春子
    【編集】NO DUヒロシマ・プロジェクト/ICBUW
    【レイアウト】鈴木和満
    【発行】合同出版
    【価格】2,500円(本体2,375+税)
    今、平和・環境・人権を考えるための必携書!
    劣化ウラン兵器は、なぜ直ちに廃絶されねばならないか、いかに禁止条約を実現するか
    ——ヒロシマ国際大会での、50数名の専門家・被害者・活動家による渾身の報告と討議の記録
    国連決議採択(2007年12月)に至るICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)の取り組みと今後の展望
    子どもたちを救おう!地球を救おう!
    ウラン兵器を廃絶しよう!

    [2]お願い
    ・ より多くのひとたちにDU問題を知ってもらうため、皆さんの近くの公立図書館や大学図書館に本書を所蔵してもらってください!
    ・ 皆さんの地元選出の国会議員のもとに届けて、日本政府がDU兵器禁止に向けて先導的役割を果たしてくれるよう要請してください!
    ・あなたのホームページなどに、下記の「刊行お知らせ」バナーを貼ってください!(ソースコードは、こちらにあります。)

    [3]購入方法
    全国書店にてもお求めいただけますが、下記よりご注文いただければ、送料無料でお送りいたします。
    なお、5冊以上まとめて、「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」よりお求めの場合は、1部2,000円、送料込みにてお送りいたします。

    [4]目次の紹介

    プロローグ:DU問題とICBUW創設
    (1) 劣化ウラン兵器とは何か
    (2) ICBUW創設/ミッション声明
    (3) DU兵器禁止に向けたベルギーでの取り組み
    (4) 劣化ウラン問題をめぐる動き—第二次世界大戦からイラク戦争まで—

    オープニング:国際キャンペーンの展開
    (1)ヒロシマ大会の使命—“核の影”としてのDU問題・・・嘉指信雄
    (2)基調講演「劣化ウランと湾岸戦争症候群」・・・ロザリー・バーテル
    (3)歓迎挨拶・・・秋葉忠利広島市長

    セッション-1 被害-1/イラク
    (1) イラク南部の疫学的研究・・・ジャワッド・アル-アリ
    (2) イラクにおける劣化ウランによる放射能汚染・・・スアッド・アル-アザウィ
    (3) バスラにおける環境の放射能汚染・・・カジャック・ヴァルタニアン
    (4) イラクの子どもたちとアメリカの戦争犯罪・・・森住卓
    (5) 国会での劣化ウラン問題の取り組み・・・福島瑞穂

    セッション-2 被害-2/アメリカ
    (1) ウラン兵器使用は「国家の病」の表れ・・・デニス・カイン
    (2) 正義が実現されない限り、平和は来ない・・・ハーバート・リード
    (3) 戦争と嘘?・・・豊田直巳
    (4) 米国内のDU問題・・・グレーテル・マンロー

    セッション-3 科学—1
    (1) ウランは人々の健康にとって有害か・・・キース・ベイヴァーストック
    (2) 湾岸戦争帰還兵などの抹消リンパ球の染色体異常・・・ハイケ・シュレーダー
    (3) 戦争による汚染と人体・動物のナノ病理学・・・A・ガッティ/S・モンタナーリ
    (4) 劣化ウラン被曝の評価・・・トーマス・フェイジー
    (5) 広島・長崎原爆の残留放射線による内部被曝の影響・・・沢田昭二
    (6) コメント・・・市川定夫・小出裕章

    セッション-4 被害-3/ヨーロッパ
    (1) イギリス政府の欺瞞は続く・・・レイ・ブリストウ
    (2) イタリアにおけるDU問題・・・ステファニア・ディヴェルティート
    (3) 劣化ウラン それは、過去・現在・未来にわたって殺し続ける兵器・・・フィリッポ・モンタペルト
    (4) 旧ユーゴでの劣化ウラン問題・・・横澤典子・今井俊政(劣化ウラン弾廃絶キャンペーン)

    セッション-5 キャンペーン-1/アジア太平洋
    (1) 韓国や沖縄の米軍基地における劣化ウラン弾配備・・・イ・シウ
    (2) 日本における劣化ウラン弾の貯蔵問題・・・湯浅一郎
    (3) 「市民ネットワーク」の活動・・・稲月隆(市民ネットワーク)
    (4) 「生きているか!正常か!」と問う母親たち・・・森瀧春子(NO DUヒロシマ・プロジェクト)
    (5) オーストラリアからの「世界への警告」・・・デイヴィッド・ブラッドベリー

    特別セッション「ヒバクシャとの交流」
    (1) 私の被爆体験・・・松島圭次郎
    (2) 原爆症認定集団訴訟の広島地裁判決について・・・渡辺力人
    (3) 広島の医師として、イラクの医師から学んだもの・・・丸屋博
    (4) 「あの日」の体験・・・高橋昭博
    (5) 海外参加者の発言

    セッション-6 禁止条約実現に向けての戦略
    セッション-7 科学的問題をめぐる討議
    セッション-8 被害者支援に向けて

    閉会セッション/「ヒロシマ・アピール」採択
    (1) 核被害者をこれ以上出さないために・・・肥田舜太郎
    (2) 未来が引く力は、過去が押す力よりも強い・・・ナスリーン・アジミ

    ヒロシマ大会以降の主な動き
    (1) DU被害賠請求裁判、本格的審理へ—イラク帰還兵、米陸軍省を訴える—
    (2) ベルギー、劣化ウラン弾禁止へ
    (3) 対日本政府交渉—「被爆国」として責務
    (4) EU議会で「ウラン兵器の人的被害」写真展と国際フォーラム
    (5) イ・シウ氏、「国家保安法違反」嫌疑で不法逮捕/無罪判決
    (6) ニューヨークで第4回ICBUW国際大会
    (7) 国連総会で決議採択
    (8) 被曝後20年以上経ってもDU検出—NYの兵器製造工場周辺での汚染
    (9) ICBUWによる主な取り組み一覧
    (10) ICBUWサポーター「拡大キャンペーン」

    以上。

  • 「ICBUW広島大会記録集」発行のお知らせ

    発行予定日:2007年始め
    内容:それぞれの発表原稿の一部または全部。できるだけ、大会全体の記録がバランス良く収録されるようにしたいと存じますが、ページ数の制約などのため、必ずしも発表の全てを収録することができるかどうか分かりませんので、その点、何卒ご了承ください。
    予約価格:日本語版・英語版各2,000円(プラス送料/国内の場合、1部500円。海外の場合、船便は1部1,000円、航空便は1部1,500円。2部以上の場合は、それぞれ実費相当額。)
    ご購入ご希望の方は、大会期間中に受付にて予約されるか、あるいは、下記まで郵便振替にてお申し込みください。その際、備考欄に、日本語版・英語版の別、申し込み部数を明記ください。
    郵便振替口座名:ICBUW・国際キャンペーン
    口座番号:01310-1-83069
    (「ICBUW広島大会記録集」と明記して下さい)
    お問い合わせ先:
    090-7500-8687(雨宮)
    090-9064-4705(森瀧)

    発行予定日:2007年始め
    内容:それぞれの発表原稿の一部または全部。できるだけ、大会全体の記録がバランス良く収録されるようにしたいと存じますが、ページ数の制約などのため、必ずしも発表の全てを収録することができるかどうか分かりませんので、その点、何卒ご了承ください。
    予約価格:日本語版・英語版各2,000円(プラス送料/国内の場合、1部500円。海外の場合、船便は1部1,000円、航空便は1部1,500円。2部以上の場合は、それぞれ実費相当額。)
    ご購入ご希望の方は、大会期間中に受付にて予約されるか、あるいは、下記まで郵便振替にてお申し込みください。その際、備考欄に、日本語版・英語版の別、申し込み部数を明記ください。
    郵便振替口座名:ICBUW・国際キャンペーン口座番号:01310-1-83069(「ICBUW広島大会記録集」と明記して下さい)
    お問い合わせ先:info@nodu-hiroshima.org090-7500-8687(雨宮) 090-9064-4705(森瀧)